2017年11月11日 15:15   カテゴリ: 片山和也の生産財マーケティングの視点     

    <第2回目:営業を営業に任せると失敗する>

     

    人へのマネジメントは「性善説」であたるのが基本です。

     

    自ら望んで会社の足を引っ張ろう、他人の足を引っ張ろうと思っている人はいません。

     

    しかし人間は誘惑に弱いことも事実です。京セラ創業者の稲森先生も言われていますが、いかに真面目な人間だったとしても、目の前に現金をおかれて、その様子を誰も見ていないとなると、真面目なはずのその人も、行動が変わるかもしれません。

    つまりその人が、おかしな行動を取ろうという気持ちにさせないことも経営の大切な要素である、と。

     

    同じことが営業部門にもいえます。

     

    ここ10数年のITの飛躍的な進化によって、あるいはIoTやクラウド化の流れにのって、会社のサプライチェーンの多くの部門がデジタル化を行い、生産性を上げ、その結果人員も減らすことができ、残業時間も大幅に削減できています。

    資材部門はEDIや集中購買によって、生産部門はERPや統合生産管理システムによって、それを実現しています。

     

    その例外が営業部門です。

     

    デジタル化とは、「属人性」の排除であると同時に「生産性の向上」です。もちろん属人性を100%排除することはできません。

    ただし属人性がほぼ100%なのか、あるいは30%程度なのかによって、その組織の新人が育つスピードや生産性は大きく変わります。

    「属人性」が高ければ高いほど、新人や若手は育ちません。

     

    一般消費者向け営業においては、ここ10年くらいで多くの会社において「営業のデジタル化」が進みました。

    例えば今日日、飛び込みで自動車を販売するセールスなど、お目にかかりません。

    その代わり、彼らは「KPI(=重要業績評価指標)」を設定して、属人ではなく、ひたすらKPIの数値を目標値に近づけることに注力しています。

     

    例えば自動車のセールスの場合は「試乗人数」が、車を売る上での最重要KPIになります。車に試乗した人のうち、約3割の人が購買行動に至ると言われています。

    で、あれば、無計画な飛び込みセールスをするのではなく、いかに試乗会に人を集めるか、その上で試乗していただくか、を考えた方がより工数は省けます。つまり生産性が上がります。

     

    また住宅販売の場合は、住宅展示場への「来場人数」と「着座率」さらに「着座時間」の3つが最重要KPIになります。

    つまり住宅展示場の商談コーナーに座ってもらった上で(=着座)、30分以上話を聞いてくれた人は、その人への「訪問率」が急に高まることがわかっており、従って家を売るのであれば、

    ・いかに住宅展示場に人を集めるか

    ・その人たちをいかに着座させるか

    ・その上でいかに30分以上話を聞いてもらうか

    に注力すれば良いことがわかります。

    逆に、今の時代、自動車業界や住宅業界で「営業は情熱だ!」「とにかくお客のところ回れ!」「いちど喰いついたら離れるな!」といった、いわゆる一昔前の“熱い営業”は、ほぼ絶滅している、といってよいでしょう。逆に、成熟化が進んだこの業界でいまだに一昔前の時代錯誤な営業活動をしている会社は、ここ数年でほぼ淘汰されました。

     

    つまり科学的管理手法を取り入れることで、一般消費物向け営業の世界では生産性を上げることができ、若手も戦力化しているのです。

    「科学」とは「再現性」です。つまり営業の科学的管理手法とは属人ではなく再現性の高い管理手法であり、言い換えれば「営業のデジタル化」ということです。

     

    ところが、未だに前近代的な、属人的な営業スタイルに依存する最後の業界があります。

     

    それが生産財業界です。

     

    法人営業の中でも生産財は、工場マーケットといった専門性の高い業界を相手にしていること、また多くの場合において購買頻度が低いことから、営業スタイルが属人的になりがちです。

     

    例えばある作業工具メーカーA社(従業員200名)の場合。

    A社には業界経験30年超の常務がいます。

    常務は業界の顔であり、A社の社長よりも常務の方が業界に影響力があります。本当にそうかどうかわかりませんが、少なくとも常務もA社の社員も、みんなそう思っています。

    A社の常務ではなく、常務のA社であると。

    ところがA社ではここ数年、売上の柱になる様な新商品が開発できていません。また新たな売上の柱になる様な新規顧客も開拓できていません。

    またA社には営業部門の事実上のNo2がいません。強いて挙げればいなくはないのですが、その人は常務の一時的な代行はできるものの、とても常務に代わって営業部門の采配を取るほどの人徳はなさそうです。

    その結果、A社の営業部門は中々人が育ちません。もっというと「将来有望だな」と思われる若手社員ほど離職してしまいます。

    どうも話を聞いていると、営業部門の中できちんと教育をされることもなく、目先の忙しさに流されて仕事が嫌になってしまった様です。

    それでも常務が健康なうちは業績も好調で良かったのです。

    ところが最近、高齢になってきた常務はもの忘れも目立つ様になり、以前よりもよく怒る様になりました。ご本人はそんなそぶりを見せませんが、どうもかつてより気力・体力ともに衰えている様にみえます。常務の最近の口癖は「我が社には人材がいない」であり、A社の売上もここのところ実質横ばいをたどっています。

     

    この様に、特定個人に営業リソースの大半が集中している会社は、早めに手を打たないと大変なことになります。

    A社のケースは、この常務が引退した時点で、あるいは社長とトラブルをおこして会社を去った瞬間に、A社はじりじりと衰退の方向に向かいます。その時に立て直しを始めるのは、並大抵のことではできません。

     

    また某中堅機械部品メーカーB社の場合、ベテラン営業マンは週のうち3日以上は同じ顧客に訪問しています。その顧客は大口顧客で、このベテラン営業マンは「お守りをするのは大変です」と言いながらも、嬉々として同じ顧客に訪問を重ねています。

    そしてB社の若手営業マンは全くズレたターゲットに対して、訪問を重ねています。会社の営業方針として「直ユーザー」あるいは「有力販売店」への営業を強化することになっているにも関わらず、この若手営業マンは行っても確実に数字にならない二次卸に一生懸命訪問していました。それで価格競争に巻き込まれ「ウチの製品は価格競争力がありません」と発言していました。

     

    ベテラン営業マンが「おいしいお客」を独占し、若手営業マンがピントのずれた営業活動を行う、そして誰も教育しない、生産財業界の営業部門で、いまだに良くみられる光景です。ちなみに、前述のB社の若手営業マンはその後、同社を辞めました。

     

    「一般消費者向け営業」と「法人向け営業」を比較すると、後者はるかにプロセスが複雑であり、またパラメーターも多いためKPIによる可視化困難です。

     

    また「法人向け営業」の中でも「生産財営業」はさらに属人性の高いビジネスです。また属人性が高いことは、その分野に高いスキルを有する当人からすれば、非常に居心地の良い、気分の良い、そしてまた楽な話です。営業を営業に任せると、どんどん属人化していくことはある種明らかな帰結です。

     

    従って営業を営業に任せ続けると、知らず知らずのうちに経営上のリスクが高まるのです。誰も、悪気が無い、にも関わらずです。

    ~次回に続く~

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    課題 4:新規開拓が進んでいない。

    課題 5:どうも時代に乗り遅れている様に感じる。

    課題 6:いまだに価格競争に陥っている。

    課題 7:自社の強みが活かせていない気がする。

    課題 8:営業が属人になっている。

    課題 9:若手がいつまでたっても育たない。

    課題10:忙しい割に儲かっていない。

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    課題14:自社の業界は衰退産業であり市場が縮小している。

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    2017年11月6日 00:00   カテゴリ: 片山和也の生産財マーケティングの視点     

    <第1回目:なぜ今、老舗企業の倒産が増えているのか?>

     

    ここ10年間、実は老舗企業の倒産が増加しています。

     

    東京商工リサーチの調査によると、業歴30年以上の会社を「老舗企業」と定義して、業歴10年未満の会社を「新興企業」とした時、この業歴30年以上の「老舗企業」の倒産が増えているのです。

     

    2005年くらいから、企業全体の倒産件数に対する「老舗企業」の割合が30%を突破しました。その後も現在までこの水準はずっと続いており、2016年の老舗企業の倒産割合は32.2%でした。

     

    では、業歴10年未満の「新興企業」の方はどうでしょうか。

    意外なことに老舗企業を10ポイント近く下回る、22.4%というデータが出てきています。

     

    この話を聞いて、皆様はどう思われるでしょうか。

     

    そもそも、企業というのは存続が難しいものです。実際、多くの零細・中小企業は設立から10年間で90%以上が倒産すると言われています。さらに20年間存続する確率が0.4%、そして30年間存続する確率は0.02%とも言われています。

    逆に考えれば、30年間存続した「老舗企業」は、それなりに強い商品力やビジネスモデル、あるいはブランド力があったからこそ30年にわたり存続できたのです。

     

    ところがここ10年間は、「老舗企業」の倒産が「新興企業」の倒産を上回る状態が続いています。

     

    それはなぜでしょうか?

    それだけ時代の流れについていけていない、老舗企業が増えている、ということなのです。

     

    ちなみに2016年のデータでいうと、業種別で見たときに最も老舗企業が倒産していたのは「製造業」の51.6%でした。

    次に「卸売業」の39.4%と、「農業・林業・漁業」の36.6%をも上回っています。

     

    ではなぜ、この様な結果が出ているのでしょうか?

     

    その答えの1つがデジタル化への対応の有無です。

    私は船井総合研究所の中で製造業の担当をしておりますので、飛び込みの経営相談案件の多くが私のところに来ます。

    そうした中で、色々な意味で苦戦している会社の共通点は、このデジタル化への対応が著しく遅れている、ということです。

     

    例えば先日、ある金融機関からの紹介で従業員150名の産業資材メーカーからの経営相談に応じました。

    この会社はバブル期の売上が60億円ほどあったそうですが、現在は売上が40億円で、伸び悩んでいるから提案を求められていると、そうした案件でした。

     

    そこの会社は社長さんが60歳くらい、二代目の経営者の方でしたが、大手産業資材メーカーからのOEM(=受託加工)が売上の大半であり、自社オリジナル商品をつくらなければならない、船井総研さんでそうしたお手伝いができないか、と、最初はそうした相談でした。

     

    ところがヒアリングを進めていくと「いや、やっぱり受託加工もしないと売上がつくれない」と、意見が変わってしまいます。

     

    「現状の課題は?」とお聞きすると、営業担当者が客先に振り回されて困る、といいます。製造業そのものは多忙ですから、たくさん引合いはくるのだと。ただ、時間をかけてその引合い・宿題に対応しても結局受注につながらない、最後は価格競争に陥るのだといいます。

     

    幹部の方も同席されたので、幹部の方に「御社の同業他社と比較した時の強みは何ですか?」と聞いても「大手に無いフットワークだ」とか「多品種少量生産への対応だ」と、一般論しかでてきません。

     

    その結果、同社は本来出すべき利益が出せていません。

     

    同社が行うべきことは次の3つです。

     

    まず1つ目は営業の動き方そのものを見直すこと。

    同社の場合6名の営業担当者がいますが、訪問先の6割近くが既存のマンネリ化した取引先です。

     

    製造業はデジタル化すればするほど利益が上がります。今どき生き残っている製造業というのは、従業員15名クラスでもきちんと生産管理システムが導入されています。

     

    ところが、従業員が30名を超えてきて、自前の営業部隊を持つレベルの会社になったら、今まさにしなければならないことは「営業のデジタル化」です。

     

    なぜなら営業活動は

    ・値決め

    ・仕様決定

    ・顧客ニーズの獲得

    という最も重要な工程を担うのに対して、全く属人であり完全にその人のスキルに依存している状態だからです。

     

    仕事ですから、また中小企業ですから、特定個人のスキルに依存するのはある程度やむを得ないことです。

    ただし、その人がいなくなったらどうするのか。あるいはその人の気力体力が衰えた時はどうするのか。

    ある程度仕組み化した上で、新しい新人が育つ環境づくりも必要です。

     

    厳しい言い方になりますが、特に生産財メーカー・セットメーカーの場合、営業を営業だけに任せていても業績は上がりません。

     

    2番目はきちんと自社の強みを把握すること。

    同社の主力商品は接着財です。業歴でいうと50年近く続いている会社ですから、

    ・フットワークがよい

    ・多品種少量生産ができる

    といった様な抽象的な強みではなく、このセグメントのマーケットに対して同業他社の製品と、こうポジションが違う、と、マーケティング発想で具体的な強みを把握しておかないとなりません。

     

    中小企業が大企業よりもフットワークが良いのは当然で、また多くの場合結果的に多品種少量生産になっているのであって、それは本来的な強みとはことなることです。

     

    3番目は、その自社の強みをターゲットとなる相手先企業のキーマンにしっかりと伝えること。

    いわゆる業歴30年以上の老舗企業になると、特定の分野を手掛けているにしてもラインナップはかなり広くなり、間違いなく自社のラインナップ・品揃えは客先に正確に伝わっていません。

     

    私のコンサルタントとしての経験からいって、自社の商品を取引先全てにきちんと伝えただけで業績は確実に上がります。

     

    もっというと、前述の社長が言っていた「お客に振り回されて無駄な仕事をしている」最大の要因は、肝心の営業担当者が自社の本当の意味の強みを理解せず、惰性で営業活動を行っているからです。

     

    そして、この3つを実現するのが「営業のデジタル化」です。

    しかも、この「営業のデジタル化」は最先端の業界よりも、むしろ成熟業界の方が有効です。

     

     

    例えば私のコンサルティング先の某社は(従業員110名)、この「営業のデジタル化」によるここ3年間の取組みで、営業利益率が2~3%から15%近くに改善しました。

    ~次回に続く~

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    課題 7:自社の強みが活かせていない気がする。

    課題 8:営業が属人になっている。

    課題 9:若手がいつまでたっても育たない。

    課題10:忙しい割に儲かっていない。

    課題11:設計部隊が疲弊している。

    課題12:いつも競合に先手を打たれている。

    課題13:成熟技術だから差別化が図れない。

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    課題15:目先は忙しいが、このままではまずいと感じている。

     

     

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    2017年10月28日 17:06   カテゴリ: 片山和也の生産財マーケティングの視点     

    今年の生産財業界はかつてない繁忙期となっています。

    その一方、多くの会社が社員の離職に頭を悩ましています。私の周りを見渡しても、今年は過去に例が無いレベルで離職が増えています。

    企業を持続的に成長させていく上で、マンパワーは必要不可欠です。せっかく採用して育成してきた社員が、途中で離職してしまうのは企業にとって大きな損失です。

    今、経営的に「離職対策」「社員の定着力アップ」は、採用力アップと同じく重要なテーマであるといえます。

     

    では、どの様な会社が人の辞めない会社なのでしょうか。

     

    例えばベンチマークすべき企業の1社として、滋賀県に本社工場のある株式会社シンコーメタリコン(社員81名)があります。

    同社は溶射を専門とする製造業です。

    溶射の職場はまさに3K(危険・きつい・汚い)職場の典型であり、同社の現社長である立石豊氏が同社に入社した時は、なんと離職率が40%もの高さであったといいます。

    その後同社では様々な「働き方改革」に取組み、現在の離職率は「0%」という、ほぼ人が辞めない職場を実現しています。

    また、同社の女子社員のうち50%が社内結婚であり、かなり高い確立で社内結婚に至っており、言い換えれば社内の雰囲気もかなり良い職場であることがわかります。

    さらに同社の「社員満足度」は80%にも及びます。普通の一般的な会社の場合、「社員満足度」は7%くらいだそうです。この「社員満足度」は匿名の社員アンケートの結果によるものですが、ずば抜けて高い社員満足度を誇っていることがわかります。

    ちなみに同社の様な3K的な職場の場合、海外研修生、いわゆる外国人を戦力として活用しているケースが大半ですが、同社の場合は海外研修生を使うのはストップしたそうです。

    その理由は、海外研修生では長期的に技術を身に着けてもらうことができないからです。従って同社の社員は地域の日本人ばかりです。

     

    では、同社はどの様な「働き方改革」に取組んできたのでしょうか?

     

    同社の立石社長は採用前の入社説明会で、必ず次のことを伝えるそうです。

    「我が社、シンコーメタリコンでは、個人情報もプライバシーも無い会社だと思ってください」

    「皆さんのプライベートに、どんどん踏み込んでいきます」

    「社員旅行に欠席したらクビです」

    いかがでしょうか。

    そして、このシンコーメタリコン 立石社長様に、どの様な「働き方改革」に取組んできたのか、私、船井総合研究所 片山がインタビューしてきました。下記URLから、その様子を動画でご覧いただけます。

    <同社立石社長と船井総研片山との対談動画を下記からご覧いたけます!>

    ↓↓↓動画「離職率40%から0%へ!我が社が取組んだ働き方改革!」

    https://www.youtube.com/watch?v=5qKaniH0yFo&feature=youtu.be

     

    同社のユニークな制度の一つとして、ドリーム7(ドリームセブン)と呼ばれる7日間連続での有給所得制度があります。

    この制度のポイントは、少しずつ有給を取るのではなく、7日間連続で有給を全員が必ず取る、というところがポイントです。

    「7日間も職場を休んだら仕事が回らなくなるよ」その様に感じるかもしれません。言い換えれば、部下や後輩に自分の仕事をしっかり引き継がないと7日間休むことができません。

    同社の立石社長によると、このドリーム7の取組みを通して、技術の継承や標準化が大いに進んだ、といいます。

    私の関係先の別の製造業も、ここ数年の離職率が0ですが、年間3日間の連続有給取得を義務付けています。

    それだけが答えだとは思いませんが、「休暇」というキーワードは、離職防止に向けたキーワードかもしれません。

    シンコーメタリコンの事例に話を戻すと、同社の立石社長が理念としていることは「おせっかい」ということです。

    いわゆる家族主義経営であり、社員を大切にする経営、気配り経営です。例えば同社では産休・育児休暇がありますが、2年間の育児休暇中は、必ず1ヶ月に1回、お母さんと子供とで出社することを義務付けています。

    その理由は、2年間も育児休暇を取って会社に顔を出さないと、会社へも復帰しにくいだろうと、1ヶ月に1回会社に顔を出していれば、職場への復帰も非常に容易になります。

     

    もちろん、こうした取り組みも本業が盤石でなければ持続することはできません。

    その為に同社が最も力を入れていることは新規開拓であり、毎年売上の10%が新規開拓によりつくられています。

    同社の取引先は3283社にものぼり、特定顧客への依存率は高くても数%未満です。

     

    人財戦略と事業戦略を両立している同社の取組みには、大いに学ぶべき点があるのではないでしょうか。

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    [無料お試し参加のお知らせ]

     

    上記コラムでご紹介した、シンコーメタリコン 立石社長が、特別ゲスト講師として、ファクトリービジネス研究会12月度総会にご登壇されます!

    本研究会では1社1回、経営者の方に限り「無料お試し参加」を受け付けております。

    <東京会場>

    日時:12月11日(月)12時30分~17時00分(受付開始:12時00分)

    場所:㈱船井総合研究所 丸の内本社 セミナールーム

    テーマ:離職対策、人材育成、働き方改革

     

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    https://www.funaisoken.co.jp/form/study/index.html?gyoumu_no=100567000000

     

    <当日のプログラム>

    オリエンテーション:はじめに 本日の総会の進め方(12:30~12:40)

    第一講座 : モデル企業 経営者による講演(12:40~14:10)
    【テーマ】離職率40%から0%へ!我が社が取組んだ働き方改革!
    【講 師】株式会社シンコーメタリコン 代表取締役社長 立石 豊 様
    【内 容】
    ・離職率40%から離職率0%への挑戦!「3K職場」の典型と言われた溶射ビジネス我が社の取組み!
    ・なぜ我が社の女子社員の50%が社内結構なのか?「安心できる職場」をつくれば生産性が上がる!
    ・「人が辞めない職場」をつくるための、人材採用基本の基本とは?
    ・なぜ我が社では、全社員に毎年7日間連続有給取得を義務付けているのか?

    第一講座質疑応答(14:10~14:25)

    第二講座 : ファクトリービジネス研究会アワード&全国会員企業様との情報交換会(15:15~16:00)
    【内 容】
    ・会員企業様の投票による、各分野のベスト企業様の表彰!
    ・全国同業他社、モデル企業との「採用」「人材育成」「働き方改革」「生産性アップ」「市況」
    「今後の見通し」についての情報交換

    第三講座 : 今月の成功事例(16:10~17:00)
    【テーマ】人が辞めない、人が育つ職場をつくるためのセオリー
    【講 師】株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント 片山 和也
    【内 容】
    ・全国の市況と今後の見通し、現在の時流について
    ・全国200社の業界企業に見る、「人が辞める会社」「人が辞めない会社」の違いとは?
    ・「人が集まる会社(=採用がうまくいく会社)」と「人が辞めない会社」に見られる共通点!
    ・繁忙期の今、いかに前向きな組織をつくり、生産性を高め、来るべき不況に備えるポイントとは?

     

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