2017年12月12日 13:04   カテゴリ: 片山和也の生産財マーケティングの視点     

    <第6回目:成熟産業であればあるほど有効な「営業のデジタル化」>

     

    営業のデジタル化は成熟業種であればあるほど有効です。

    それはなぜでしょうか?

     

    理由は2つあります。

     

    「成熟業種」と言われるほどですから、その業種あるいは産業の歴史は長いはずです。歴史が長いということは、その製品あるいはサービスは世の中の“必需品”なのです。

    BtoBマーケティングの鉄則は、まず“必需品”を売る、ということです。特に生産財マーケティングの分野では「あったらいいな」みたいな商品は売れません。必要なもの(=必需品)しか売れないのです。

     

    次に、遅れている業界、というのは、ライバルも得てして遅れています。例えばアメリカのシリコンバレーでは、スタンフォード大学やUCLAなどのコンピューター工学を修士号で卒業した様な、バリバリの理系人材が遅れた業界をターゲットに絞ってデジタル化で新たなビジネスモデルを仕掛けることが一種の流行です。

    例えばアマゾンの創業者、ジェフ・ベソスも理系人材ですし、メガネ業界にオンラインSPAという新たな業態を持ち込んで急成長しているワービーパーカー、ユニクロが最も恐れるアパレル業態といわれるエバーレーンなども、全て創業者は高学歴な理系人材です。

     

    繰り返しになりますが、遅れている業界と言うのはその業界のプレーヤーも皆遅れていますから、少し何かをするだけで差別化につながることが多いのです。しかもこうした業界の場合、ほとんど新規参入もありません。

     

    具体的な事例をお話しましょう。

     

    大阪市に本社のあるシコー株式会社は、従業員200名の産業用の紙袋・ポリ袋・プラスチック段ボールを手掛けるメーカーです。

     

    まさに典型的な超成熟産業であるといえます。しかも同社は必ずしも業界のガリバーともいえる規模ではありません。

     

    ところがシコーは「営業のデジタル化」に取組んだ結果、業界そのものは2~3%のマイナス成長であるにも関わらず、売上は昨年対比プラス1億円と、業績を伸ばしています。

     

    さらに新しい業界に対しての新規開拓も、昨年対比で300%の勢いで伸びており、同社の営業組織は明らかに活性化しています。

     

    そうした同社の「営業のデジタル化」の中心になっているのが、以前のコラムでお伝えした“マーケティング・オートメーション(=顧客獲得の自働化)”と言われるテクノロジーであり、そのマーケティング・オートメーションの中心になっているのが、下記に示すWeb総合カタログです。

     

    ↓↓↓成熟産業におけるWeb総合カタログのモデル事例

    http://siko-housoubinran.com/ 

     

     

    このWeb総合カタログは、単に事例を網羅しているだけではありません。まず見た目からして「産業用」であることを強調しており、またポジションとして紙袋・ポリ袋でありながら、先端産業からの引合いを意識した設計になっています。

     

    掲載されている内容も単なる製品説明ではなく、その製品が顧客にもたらす「顧客価値」を訴求していることがわかります。

     

    かつ同社では、こうした包装材料に関わる技術を「包材技術ニュース」というコンテンツにまとめて、メールマガジンで自社の既存顧客、さらに新規に獲得した新規顧客リストに対して毎月メルマガ配信を行っています。

     

    その結果、「御社ではこういう商品も扱っていたの?」「毎月ニュース楽しみにしていますよ!」といった声も顧客から聞かれる様になり、営業面でも前述の様な具体的な売上アップにつながっています。

     

    生産財のルートセールスの場合、1人の営業担当者が数多くの会社を担当し、かつその会社の中でも多くの部門を回り、かつその中で多くの顧客と面談を重ねています。

    今や1人の営業担当者が自社取扱製品・サービスの全てを伝えるのは事実上不可能であり、何らかの営業支援システムがないと生産性の高い営業を行うことは不可能です。

     

    「営業のデジタル化」とは、営業担当者をデジタルに置き換えるということではなく、あくまでも既存の営業活動をデジタルで強力にバックアップすることで、営業活動の生産性を高め、さらに組織を前向きに活性化する環境づくりそのものなのです。

     

    ~次回に続く~

     

    本コラム読者の皆様に特別なお知らせです!

     

    上記コラムでご紹介したシコー株式会社の「営業のデジタル化」の立役者、同社 常務取締役 白石忠臣 氏を特別ゲスト講師にお迎えし、経営セミナーを下記日程で開催することが決定しました!

     

     

    東京会場: 2018年1月23日 火曜日 13時~17時

    大阪会場: 2018年1月29日 月曜日 13時~17時

     

    各会場先着25名様限定、経営者の方限定の経営セミナーです。

     

    2018年1月の年初、2018年3月以降の戦略をねっていただく絶好の機会です。

     

    本セミナーの詳細・お申込みは下記URLをご覧ください!!

     

    ↓↓↓セミナーの詳細・お申込みはこちら

    http://www.funaisoken.co.jp/material/factory-business/026899_lp.html




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    2017年12月3日 20:22   カテゴリ: 片山和也の生産財マーケティングの視点     

    <第5回目:あなたの会社の管理職は機能していますか?>

     

    こうした営業のデジタル化を進めなければならない時代背景には、単にAIやIoTの波に乗り遅れてはいけない、という情緒的な理由だけでなく、もっと切羽詰まった理由があります。

     

    それは、管理職が管理職として機能していないからです。

     

    特にそれが中小企業ほどその傾向が著しく、中でもそれが顕著なのが営業部門です。

     

    例えば最近、アマゾンでベストセラーになったビジネス書に、「モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書」という書籍があります。

     

    同書によると仕事への動機づけが異なるバブル世代(40代後半)と、20~30代前半深刻な世代間の断絶があると指摘しています。

     

    その結果、何が起きているかというと「離職」です。

     

    昔は「離職」、もっというと転職は人生での一大イベントでした。

    例えば昭和48年生まれの私の世代でいうと、「30歳転職限界説」というのがありました。

    ところが現在はこれが40歳くらいまでに引き上げられています。

     

    また、私が20代後半くらいから「転職斡旋会社」が幅を利かせる様になってきました。彼らはフェイスブックや様々なインターネット媒体を使って、若者にアプローチをかけてきます。「あなたの適正年収を査定します」と。

    余談ですが、名刺管理ソフトなど、特にフリー(無料)で世の中に出回っている媒体を使用すると、こうした広告がもれなく送られてくることは、管理職・経営者であれば頭に入れておかないといけません。

    転職において、現在ではこうした「転職斡旋会社」を介しての転職が圧倒的主流となり、昔と比べて「離職」へのハードルが圧倒的に低いのが現在なのです。

     

    こうした時代への対策として、例えば一切の情報を遮断する、だなんてことは不可能ですし、得策ではありません。

    それよりも人が辞めない組織・会社を志向していく必要があります。

     

    先ほど「モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書」によると、そのためには仕事そのものに対しての動機付け、当人の仕事の目的と人生の目的を一致させる必要がある、と述べています。人が辞めない職場をつくるためには、社員一人一人の仕事の目的と人生の目的を一致させていく努力を継続しなければなりません。

    その為には経営方針発表会や合宿、日々の評価・面談、飲みニケーションも含めてあらゆるコミュニケーションが求められます。

     

    これも管理職の仕事です。

     

    さらに昨今の会社組織において、いわゆる「精神論」はNGです。なぜなら「精神論」はパワハラにつながりやすく、こうしたハラスメント系のトラブルはコンプライアンスと同じく、現在の時代は瞬時に会社を聞きに陥れることにもなりかねません。

     

    特に営業部門は「個人商店」になりやすく、得てして精神論による指導か、または全く指導しないかどちらかになりがちですが、そこで求められるのは具体的な指示・指導であり、それが数字で表現されるならよりベストです。

     

    その点、前回のコラムでお伝えした「マーケティング・オートメーション(MA)」の場合、どのお客が自社のどういった分野にどれだけ興味・関心を抱いているのか数値化できますから、全てを数値化することが可能です。

     

    かつ、このマーケティング・オートメーションの根幹を構成しているWeb総合カタログ、あるいは技術ソリューションサイトに代表される集客サイトは、継続的に新規顧客を獲得してくれます。

     

    船井総合研究所のコンサルティング先の場合、私たちがお手伝いして構築した集客サイトは平均して1人の営業担当者に対して毎月1~2件の新規優良商談を継続的に提供できています。

    ここの数字を上げることは、DMや各種広告と組み合わせることでいか様にも可能になりますが、日々のルートセールスと新規開拓を両立させる為には、過剰な案件数よりも質の高い案件を提供する方が有効であるからです。

     

    産業心理学の世界に、

    B=E×P

    という公式があります。これはB(=ビヘイビア:人間の行動パターン)が、E(=エンバーロメント:環境)とP(=パーソナリティ:性格)によって決まる、というものです。

    ここで、P(性格)は他人が変えることはできません。

    ですから、良い行動パターン(=B)は、良い環境(=E)から生まれる、ということになります。

    営業組織にとって良い環境とは、継続的に新規案件の引合いが入ることです。魅力的な新規案件が入ってくれば、営業担当者も積極的にフォローしてくれますし、そこで成功体験を積めば組織は活性化します。

     

    営業組織の強化、というとすぐに「営業日報」「商談管理」「見積り管理」を行おうとするコンサルタントが多いですが、私は反対です。

    なぜなら“管理の強化”では良い環境は生まれませんし、モチベーションも上がらないからです。

     

    それよりも前述の公式 B=E×P に従い、具体的かつ確度の高い、営業のモチベーションが上がる様な、成功体験が得られる様なMA(=マーケティング・オートメーション)を導入した方が、営業組織は前向きになります。

     

    日本を代表する製造業、トヨタ自動車では、「管理職の仕事とは部下を勝たせること」と定義しているそうですが、前述の離職を防ぐいわゆる“やりがい”には、自身の成功体験が前提条件として必要です。

    集客サイトを中心としたマーケティング・オートメーションの導入に始まる「営業のデジタル化」には、そうした目的があるのです。

    ~次回に続く~

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    「営業のデジタル化」についてのお問合せ・ご質問は、下記フォームからお気軽にどうぞ!

     

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    2017年11月27日 00:33   カテゴリ: 片山和也の生産財マーケティングの視点     

    <第4回目:B2B営業必須のツール、マーケティング・オートメーションとは?>

     

    では、このマーケティング・オートメーションとは何でしょうか?

     

    マーケティング・オートメーションとは、近年大手企業を中心に導入が進んでいる「顧客獲得の自働化」を目的とした営業ツールです。

     

    特にB2B分野での営業活動に有効とされるマーケティング・オートメーションは、実務的にはメールマガジンを中心に構成されます。

     

    「毎日たくさんのメールマガジンが送られてくるが、本当にメールマガジンは効果があるのか?」と思われる方もおられるかもしれませんが、B2B分野の専門的な内容のメールマガジンは開封率が非常に高く、私のコンサルティング先のメールマガジンの開封率は平均で15%を超えており、高いケースだと20%を超えるケースもあります。

     

    そうしたメールマガジンの内容はVA・VE技術情報など、ターゲットとするエンジニアの顧客価値を実現する内容のコンテンツをつくる必要があります。

     

    そして、マーケティング・オートメーションを導入すると、メールマガジンの送り先の、誰がいつ開封したのかがわかります。

     

    さらに、そのメールマガジンを開封した人が、自社のホームページのどこのページをどれくらいの時間閲覧したのか、そこまでわかります。

     

    そこであらかじめ、自社のホームページの、このページをみたら何点、という風にポイントを決めておくことで、顧客ごとの自社に対しての関心を示すスコアリング(=可視化)が可能になります。

     

     

    そのスコアリングの結果を見ると、

    「あっ、この人はこういう情報に興味・関心があるのか!」

    「この人のスコアは高いけども、営業が普段行けていないな!」

    など、メールマガジンとWEBサイトへの閲覧結果を、通常の営業活動に反映することができるのです。

     

     

    ちなみに、このマーケティング・オートメーションの世界的メーカーが、アメリカ・ボストンに本社を置くハブスポットという会社です。

     

    同社は2009年12月期の売上が661万ドルだったのに対し、2016年12月期には2億7096万ドルにまで成長しています。

    わずか7年間で50倍近い脅威の成長を遂げています。

     

    同社の成長をみると、いかにマーケティング・オートメーションが、実は世界の会社で導入されているか、ということがよくわかります。

    欧米のホワイトカラーの生産性の高さが、よく日本と比較されますが、彼らの生産性の高さには、こうしたシステムに裏付けられた仕組みが存在するのです。

     

     

    ただし、今までのマーケティング・オートメーションには、いくつかの弱点がありました。

     

     

    まず導入費用の高さです。世界的に有名なマーケティング・オートメーションとして、前述のハブスポットやマルケトと呼ばれるシステムがありますが、いずれも毎月のランニングコストが数十万円する様な高価なシステムです。

     

     

    次に導入・運営の難しさです。ハブスポットもマルケトも、米国のシステムです。本場の米国では零細・中小企業も実は結構マーケティング・オートメーションを導入しているのですが、それを輸入して使いこなす立場の日本では、人的資源が豊富な大手企業でしか事実上導入が難しかったのです。

     

    余談ですが、某大手通販会社のサイト、あるいは某大手センサー会社のサイトを閲覧していると電話がかかってきて、

    「今ご関心のあるセンサーですがデモ機をご用意できますがいかがですか?」

    とお誘いを受ける、といったご経験をされたことがある方もおられるかもしれませんが、これもマーケティング・オートメーションによる運用例です。

     

     

    しかし、ここ数年、このマーケティング・オートメーションも、日本製のシステムがいくつかでてきました。

     

    また、毎月のランニングコストが1~2万円、数万円程度のシステムも出てきています。

     

    その結果、船井総合研究所のコンサルティング先である、中小製造業においても、マーケティング・オートメーションによる目に見える成果が出てきているのです。

     

    ~次回に続く~

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