2017年10月16日 00:45   カテゴリ: 片山和也の生産財マーケティングの視点     

    この10月8日~10月14日の1週間、アメリカ東海岸(ニューヨーク・コネチカット・ボストン)で開催されたグレートカンパニー視察セミナーに、講師として参加してきした。

     

    今回の現地での5日間で視察したのは次の16社です。

     

    1社目 ラウンドワン

    2社目 オキュラス・ワンワールド

    3社目 ブルームバーグ

    4社目 タイムワーナーセンター(AMAZON BOOKS)

    5社目 グーグル ニューヨークオフィス

    6社目 You Tubeスタジオ

    7社目 ワービーパーカー

    8社目 NYブランド最新情報講演

    9社目 マリオット インターナショナル

    10社目 ウッドベリーコモンズ

    11社目 indeed

    12社目 マサチューセッツ工科大学(MIT)

    13社目 ボストン レッドソックス

    14社目 マス ロボティクス

    15社目 ハーバード大学

    16社目 リーガル シーフード

     

    視察セミナーのレポートは、近日中にWEBサイトにアップいたしますが、下記フェイスブックより画像をご覧いただくことができます。

     

    ↓↓↓片山和也フェイスブック

    https://www.facebook.com/kazuya.katayama.963

     

    海外によく行かれる方はおわかりかと存じますが、今や都市のインフラやホテルの施設、店舗の様々なサービスは日本の方がはるかに上です。これはアメリカであってもヨーロッパであってもです。

    ところが、日本も、あるいはヨーロッパにおいても、アメリカにかなわない点が1つあります。

     

    それはイノベーションを生み出す力です。

     

    イノベーションとは、従来のビジネスのルールを変えることです。

    例えば今回視察したブルームバーグは、かつて世界の報道の覇権をにぎっていた英国ロイターを抜き、現在は報道配信で世界トップの会社となっています。

    そのイノベーションの源泉は、「ブルームバーグ端末」とよばれる、いわば金融機関にとってインフラともよべる“端末”の提供にあります。

    またワービーパーカーは従来の店舗販売からオンラインSPAという業態を世に訴求し、このオンラインSPAという業態は、今やユニクロが最も恐れる業態の1つとよばれています。

    またYou Tubeは、コンテンツ配信会社がコンテンツをつくる、という従来の常識を塗り替え、自身はコンテンツをつくらず、クリエイターに場を提供し、そのために世界中にYou Tubeスタジオをつくっています。

    さらにindeedは、従来の求人媒体による求人から、採用情報検索エンジンによる求人に世の中の流れを変えつつあります。

    またボストン レッドソックスのホームスタジアムは、稼働率が常に98%を超えるという圧倒的なファンを抱えています。

    同スタジアムは古いながらも、その古さを伝統としてうまく訴求し、しかも少しずつ改造を加えながらストーリーを売るプロデュースが非常にうまくなされています。

    日本から進出したラウンドワンも、従来のアメリカのボーリング場がセミプロの様な顧客層を対象にしていたのに対し、ファミリー層に受けるボーリング場につくりかえ、現地で圧倒的な人気を誇っています。

     

    では、なぜ、アメリカの企業はイノベーションを生み出せるのでしょうか?

     

    それは、ミッション(=自社の使命)が明確だからです。

    イノベーションの目的は、ミッションの実現にあります。従ってミッションが明確でなければ、そこにイノベーションは生まれません。

    今回視察した全てのグレートカンパニーには、明確なミッションがあります。

    その上で、今回視察した16社をルール化すると、イノベーションの起こし方として次の4つのパターンがあります。

     

    (1)デジタルの活用

    →従来人が行っていたプロセスをデジタルに置き換える

    →人は人でなければならない業務に集中する

    ex)ワービーパーカー(オンラインSPA)、indee

     

    (2)エコシステムをつくる(場を提供する)

    →「人」「モノ」「カネ」「情報」を結び付けて壮大な使命を

    実現するための組織体をつくる

    ex)You Tube、マス ロボティクス

     

    (3)プラットフォームをつくる

    →世の中になくてはならない必需品であることが前提

    ex)ブルームバーグ、グーグル

     

    (4)本業を徹底的に掘り下げて熱狂的なファンをつくる

    →ストーリーを売りながら常に変化し続けていく

    ex)ボストン レッドソックス スタジアム

     

    まずはミッション、自社の使命を明確に設定するところからイノベーションは始まります。

    では自社のミッション、自社の使命はどの様に設定すれば良いでしょうか。

    それは自社がどの分野で「日本一」あるいは「世界一」を目指すのか、というポイントを決めることから始まるのではないでしょうか。

    ぜひ自社のミッションを、改めて考えていただきたいと思います。




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    2017年10月9日 06:46   カテゴリ: 片山和也の生産財マーケティングの視点     

    本日から1週間、毎年恒例のグレートカンパニー視察セミナー、今回はアメリカ東海岸のニューヨーク・コネチカット・ボストンで14社以上のグレートカンパニーを視察してきます。

     

    今回のアメリカ視察で1つのポイントとなるのが、「アマゾンに勝てるビジネスモデルを探る」ということがあります。

     

    今、アメリカでは“アマゾン・エフェクト”とも呼ばれる現象がおきています。

    これはアマゾン・ドット・コムの攻勢により、業績や株価の低迷、あるいは倒産といった企業が増えていることを指しています。

    例えば日本でも有名なトイザらスの米国法人は、数週間前に倒産に追いやられました。また百貨店をヒットに、食品スーパーや家電量販店、ドラッグストア、スポート用品店に至るまで、広く影響がでています。

     

    ところが、そうした中でも業績を伸ばし続ける企業もあります。

     

    例えばアメリカの老舗百貨店、ノードストロームもその1社です。

    ノードストロームは、アメリカ視察の際には必ず訪れますが、同社は同業百貨店が業績不振に苦しむ中、過去3期連続して業績を伸ばしています。

     

    同社の経営には3つのポイントがあります。

     

    第1に固定客をつかんでいること。

    ノードストロームが得意とする商品分野は靴です。そしてノードストロームの社員全員が、お客様の足のサイズを測る特製の測定器を使うことができる様、教育されています。

     

    普通の百貨店では靴は足の裏の長さだけでサイズが決められます。ところがノードストロームの場合は、長さだけでなく幅、高さなども考慮して、その人の足に最もフィットした靴が提供されます。

     

    ですから、一度ノードストロームで靴を買うと、他の店では靴を買おうとしなくなります。さらに靴は消耗品です。半年~1年もすればお客は新たな靴を買い求めます。

     

    その結果、お客が固定客となりやすいのです。

     

    第2にデジタル化の波に乗っていること。

    百貨店の売上でお気に入りの商品を見つけ、ネット販売の商品と価格を比較し、購入はネット販売で行うという購買行動のことを「ショールーミング」といいます。

     

    逆に、ネット販売でだいたいの商品の目安をつけた上で、実際には店舗に出向き手に取って商品選定を行う購買行動のことを「ウェブルーミング」といいます。

     

    ノードストロームは、この「ショールーミング」にも「ウェブルーミング」にも対応した販売戦略を持っています。これを「オムニチャネル」といいます。

     

    例えばノードストロームのカバン売り場に行ったとします。そうすると、そのお客が持つスマートフォンに「他にもこんな商品があります!」と、自社のオンラインストアに誘導するSNSメッセージが届きます。そのお客がオンラインストアにアクセスすると、そこはノードストロームが運営するネット販売です。

     

    つまり「ショールーミング」に対応した戦略です。

     

    逆に自社のオンラインサイトに訪れるお客に対しては、リアル店舗で開催されるイベント情報の提供や、クーポン券を提供するなどして来店を促します。「ウェブルーミング」に対応した戦略です。

     

    第3に従業員のロイヤリティが高いこと。

    ノードストロームは毎年、GPTW(グレート・プレース・トゥ・ワーク:米国のNPO機関)が主催する「働き甲斐のある会社ランキング」に毎年エントリーし、高い順位をつけています。

    同社では社員のモチベーションを高めるために様々な工夫をしています。例えばサービス面で功績のあった社員を称える掲示板を、全てのお客が目にできる場所に設置しています。

    また本部のスタッフ社員よりも、売り場のサービス・販売社員を評価する、現場重視の社風でも知られています。

    かつ同社は米国では珍しいオーナー企業であり、従業員は家族である、という大家族主義の会社でもあります。

     

    また、アメリカには近年注目されている業態であるオンラインSPAと呼ばれる業態が誕生し、業績を伸ばしています。

     

    例えば、今回の視察でも訪れるWarby Parker(ワービー・パーカー)は、メガネのオンラインSPAです。

    オンラインSPAの店舗にはレジがありません。お客は商品の選定、試着のみを行い、実際の購入はネット上で行います。

    その結果、実店舗には商品在庫がありませんから、より効率的な運営を行うことができます。

     

    こうした業態をDirect to Consumer (D2C)といいます。D2Cの目的は、工場から消費者までを、よりシンプルなサプライチェーンで結ぶことにあります。

     

    同様に、アパレルの分野でオンラインSPAとして注目を集めている会社がEverlane(エバーレーン)です。

    同社はさらに一歩進み、何とネット上で自社の原価をオープンにした上で、同等商品の他社との比較を行っています。

    徹底的な透明性を理念に掲げる同社は、同じ商品の他社との価格差は1/2~1/3にもなります。

    従来のアパレルは、売れ残ることを前提に価格設定を行い、残りをセールで売りさばくというビジネスモデルでした。同社のビジネスモデルは、こうした従来業態に対してのアンチテーゼでもあります。

     

    今の時代、様々な分野で日本がアメリカを抜き、今や世界で最も生活のしやすい国は日本であることは間違いありません。

    ただし、ビジネスにおけるイノベーションではどうでしょうか。

    新たなビジネスは常にアメリカから生まれています。少なくともビジネスモデルにおいては、日本もアメリカから見習う点は多々あります。この点において、アメリカからのタイムマシーン経営(=アメリカは日本の15年先をいっており、そこを見習うことで未来を先どりできる)は現在でも成立する、と考えてよいのではないでしょうか。

     

    今回のアメリカ東海岸グレートカンパニー視察セミナーの様子は、下記フェイスブックにてリアルタイムでご覧いただくことができます。

    ↓↓↓片山和也 フェイスブック

    https://www.facebook.com/kazuya.katayama.963

     

    ぜひアメリカのイノベーションとビジネスモデルの最新情報を、ご覧いただければと思います。




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    2017年10月1日 20:55   カテゴリ: 片山和也の生産財マーケティングの視点     

    「製造業のバブル」が加速しています。

     

    正確に言うと「有機EL」「スマホ」「TNGA」「排ガス規制エンジン」バブル、といった方が良いかもしれません。

    これら複数のミニバブルが重なり、大きなバブルになっている様にみえます。

     

    実際、今年は失速が予想された工作機械の受注見込みが、1兆5000億円強と、2007年の過去最高の受注水準に準ずる見通しとなりました。

     

    そして某大手リニアガイドメーカーは、毎月の受注が毎月の生産キャパをはるかに超えているそうです。従ってLMガイドやボールねじの納期はどんどん伸びています。

    LMガイドはタイプによっては納期400日、またクロスローラと呼ばれる高剛性タイプは何と納期2年(!)というモデルもでているといいます。

    こうした実情に、某日本を代表する大手工作機械メーカーの社長は「その、リニアガイドメーカーの工場に直談判する!」と憤慨したそうですが、そのリニアガイドメーカーからは「そういった直談判の類は一切お断りしています」と、事務的に拒否された、と聞きました。

     

    現在の時流は「人手不足」に加えて「供給力不足」が時流になっています。しかしながら賃金は上がらず、また物価も上がらないという不思議な状態に陥っています。

     

    GDPという景気指標が拡大しながら、賃金が上がらず物価も上がらない現象を、アメリカFRBのイエレン議長は「ミステリーだ」と記者会見で語りました。

    また、誰よりも時流を読んでいるはずのソフトバンクが、アリババ株のデリバティブ取引で、2500億円もの損失を出しています。

    同社の動向は常に注目を集めますが、売上高8兆円に対して負債は15兆円にものぼります。

    また前述の某大手リニアガイドメーカーは昨年ごろ、トップの判断で中国からの大量受注を受けたそうです。

    現在の需給のひっ迫が予想されていれば、おそらくその大量受注は受けなかっただろう、とある関係筋は語っていました。

     

    この様に、現在という時代は時流を読むことが非常に難しい時代になっています。ただし間違いがないことは、

     

    ①人手不足対策(採用力UP、定着力UP、自動化)

    ②デフレ対策(価値売り、研究開発)

    ③一番化(独占的シェア)

    ④高収益化(上記①~③の集大成)

     

    を進めなければならない、ということです。

     

    上記はいわば「グレートカンパニー化」ということです。

     

    船井総研ではグレートカンパニーを次の5つで定義しています。

    1)持続的成長企業であること

    2)熱狂的なファンを持つロイヤリティの高い企業であること

    3)社員とその家族が誇れる、社員満足度の高い企業であること

    4)自社らしさを大切にしたいと思われる、個性的な企業であること

    5)世の中に広く大切にしたいと思われる、社会的貢献企業であること

     

    最近、研究会やセミナーの場で私が「今は製造業バブルだ」という話をすると、「いや、ウチはその恩恵を全く受けていない」「全然そんな実感はない」というご指摘を受けます。

    それは、前述のアメリカFRBイエレン議長がいうところの、GDP(=物理的な実態)と、賃金・物価(=心理的な実態)が一致しないという現象、また「スマホ」あるいは「自動車」に関わっていなければその恩恵が受けられない、ということです。

    しかし長期的な持続、成長を目指すならば、無理にバブルの恩恵を受けようとするのではなく、それよりも自社の強みを伸ばし、上記1)~5)に取組んだ方が良いのではないかと私は思います。

     

    今年も10月8日から1週間、「アメリカ東海岸グレートカンパニー視察セミナー」に講師として参加します。100名を超える経営者の皆様と、アメリカのグレートカンパニーを視察してきます。

    アメリカでは今、アマゾン・ショックと呼ばれる流通の大激変が起きています。その中でトイザらスが倒産し、わずか半年間で4000を超える商業施設が閉鎖に追いやられるなど、大変な過渡期にあります。

     

    しかし、そうした中でオンラインSPAと呼ばれる業態は業績を伸ばしており、オムニチャネルの展開に成功した小売業は業績を伸ばしています。またノードストロームの様に、ロイヤリティの高い顧客を抱えたグレートカンパニーはネットの時代でも業績を伸ばし続けています。

    こうした大激変の時代でも持続的成長を続ける本場のグレートカンパニーの取組みを、視察セミナー中はリアルタイムでフェイスブックにアップしていきます。

     

    ↓↓↓ファクトリービジネス研究会 フェイスブックページ

    https://www.facebook.com/funaifactorybusiness/

     

    ぜひご覧いただければと思います。




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